自動車部OBの方の体験談

味村寛(みむらひろし)氏

1982年 工学部石油化学科(現工業化学科)入学
1988年 工学研究科石油化学専攻(現物質エネルギー化学専攻)修了


~学生時代の愛車A73ランサーGSR~

現在は、日産自動車(株)で、操縦安定性乗り心地性能のエキスパートリーダー
(技術部長職)を担当し、全日産車のハンドリングや乗り心地の責任者を勤めています。

我々の頃の自動車部は、七大戦と全日本学生自動車連盟の競技に参戦し、ラリー、ダートトライアル、フィギュア(自動車教習所をもっと厳しくしてタイムを計る競技)、整備大会(整備の正確さとタイムを計る競技)に取組んでいました。

~JAF社会人ラリーデビュー戦~ --自動車部部車カリーナ

その頃が、学生競技主体からJAF社会人競技参戦への移行期で、修士時代には近畿ラリー選手権にコドライバーとして出ていました。
ラリーはドライバーとコドライバーが組になって出る競技で、公道を正確に走る区間と、速さを競うSS(スペシャルステージ)からなっています。これまた、我々の頃が日本ラリー界の変化期でWRC(世界ラリー選手権)がマスコミで取り上げられた事も有り、正確さ重視からSS重視に変わって行き、現在に至っています。
就職後もラリー活動を続けていまして、神奈川県のチームアッスル(AZUL)に所属しています。コドライバーとして、埼玉群馬選手権⇒東日本選手権⇒全日本選手権とステップアップし、今も主に主催者として関わっています。東日本選手権で2クラスのシリーズチャンピオンになり、全日本選手権では2位を取れました。

~全日本ラリー:モントレー群馬~

私は、化学出身ながら、日産では自動車のシャシー開発に従事してきました。完全な機械の世界(最近は電子制御も)です。そこで役立ったのは、大学で学んだ事よりも、自動車部で学んだ事でした。入社した際、教育でサスペンションとかステアリングとかを教えられる訳ですが、知っている事ばかりで、非常に馴染み易かったのを覚えています。また、自動車部で、エンジンや駆動系の事も学んでいましたので、アクセルオンで旋回するなんて言う論議をする際に、今でも大いに役立っています。
今や、電気自動車やハイブリッドの影響で、自動車産業にも多くの化学出身エンジニアが入社されますが、当時は皆無で、入社面接では石油化学よりも自動車部出身を猛アピールしました。自動車部のお陰で、憧れてた日産のシャシー開発に従事出来ましたね(笑)。当時は、伝説のR32スカイラインGT-RやS13シルビア、P10プリメーラと言った名車が続々と出た時代でしたので。
大学の部活動の中身が、そのまま業務でも通用する事って、もの凄くレアだと思います。また、自動車会社から見ても、自動車部の卒業生って即戦力ですので、非常に魅力的なのです。自動車部への入部、OBとしてもお勧めします!